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宅地建物取引 ワンポイントアドバイス

[7] 土地を購入後,隣家から脅迫的言動を受けた場合,売り主に損害賠償請求できますか?

 私は,自宅を建築するために,土地を購入しました。
 ところが,現地で建築が始まったところ,隣地の住民から脅迫的な言動を受けて,思うどおりの建物を建てることができなくなりました。隣地の住民は暴力断関係者で威圧的言動が凄かったからです。
 私としては,隣地にそのような人がいるということで,本件不動産の財産的価値も下がると思いますので,売主に,損害賠償をしたいと思いますが,可能ですか?

 状況に応じて微妙な点がありますが,売買価格の15%の損害を認めた判例があります。
 動産を買い受けて,建物を建築しようとしたところ,暴力団関係者である可能性のある隣家の住人から,脅迫的な言動で設計変更を要求されるなどして,設計変更を余儀なくされたとします。
 この場合に,瑕疵担保責任による売買契約の解除或いは損害賠償は認められるでしょうか。

 同様の事例について,東京高裁平成20年5月29日判決は,宅地価額の15%相当額について損害とみとめて賠償を命じました。
 瑕疵担保責任に基づく請求は,売買の目的物が通常有すべき品質・性能を欠く瑕疵がある場合に,契約を解除及び損害賠償をすることができるというものです。
 ここで言う瑕疵は,目的物の物的瑕疵のみならず心理的な瑕疵も含まれます(自殺があった物件等)。

 本件では,隣家から強迫されたとしても,毅然とした対応をすれば問題はないとも言えなくもないのが微妙な点です。
 しかしながら,判例は,本件が「心理的欠陥が目的物の通常の用途に照らし,一般人であれば誰もがその使用の際に心理的に十全な使用を妨げられるという欠陥,すなわち一般人に共通の重大な心理的欠陥がある場合」にあたるとして,瑕疵担保責任を認めました。

 一般人であれば,暴力団関係者から強く言われてしまうと,たとえ建築が合法的であったとしても,強引に建築を強行することはできないであろうと判断したものです。
 もっとも,判例は,買い主から説明を求められた場合は別として,積極的にそのような事情を相手方に告知するまでの義務を負わないということも付言しています。
 なお,第1審では,30%の減価を認めたのですが,高裁では15%に留められました。設計変更により建築が不可能ではないことが考慮されたものと思われます。